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文学部が気になるけれど、『自分は文学部に向いてるのかな』と自信が持てない高校生の方は多いですよね。子どもの進路を一緒に考えている保護者の方もいるはずです。
結論から言うと、文学部に向いてる人かどうかは「本好き」かどうかでは決まりません。「読む」「問う」「書く」「調べる」の4つの力を伸ばしたいと思えるかどうかです。今の時点で全部できている必要はありません。
この記事では、4つの力のセルフチェックと、当てはまらない時の考え方を紹介します。
文学部に向いてる人は「4つの力」で見る
文学部の4年間は、読んで、問いを立てて、調べて、書く、のくり返しです。この4つのうち2つ以上に「やってみたい」と思えるなら、文学部に向いている可能性は高いですよ。
文学部というと、『小説が好きな人が行く所』というイメージを持つ方もいますよね。実は、文学部で学ぶのは文学だけではないんです。
多くの文学部には、文学のほかに歴史、哲学、言語、心理、社会などの専攻があります。分野は違っても、学び方には共通点があります。
その共通点が、次の4つの力です。
| 力 | 文学部での使われ方 | こんな人は向いている |
|---|---|---|
| 読む | 文章や史料をじっくり読み、意味を考える | 一つの文章を何度も読み返すのが苦にならない |
| 問う | 「なぜ」「本当にそうか」と問いを立てる | 当たり前とされていることに疑問がわく |
| 書く | 考えたことをレポートや卒業論文にまとめる | 考えを文章にすると頭が整理される |
| 調べる | 本や資料をたどって根拠を集める | 気になることを調べ始めると止まらない |
文学部が何を学ぶ学部かを先に知っておきたい方は、文学部とは?何を学ぶ学部かをやさしく解説も読んでみてください。

4つの力のセルフチェック
チェックは「今できるか」ではなく「やってみたいか」で答えてください。文学部は、この力を4年間かけて育てる場所なんです。
当てはまるものに印をつけてみましょう。正直に答えるほど、自分の傾向が見えてきます。
- 気に入った文章を、もう一度読み返したことがある
- 同じ話でも、読む人によって感じ方が違うのが面白い
- 昔の言葉や外国の言葉で書かれた文章に興味がある
- 「どうしてこうなったんだろう」と考えることが多い
- 授業で習ったことに「本当にそうかな」と思うことがある
- 答えが一つに決まらない話し合いが嫌いではない
- 感想文やレポートを書くと、考えが整理される感じがする
- 長い文章を書くのが、それほど苦ではない
- 自分の考えを、人に分かるように説明したい
- 気になったことを、本やネットで調べ始めると止まらない
- 図書館や博物館で過ごすのが好き
- うわさより、元の資料を確かめたくなる
チェックの結果の見方
印の数で、文学部との相性をざっくり見てみましょう。
| 印の数(12項目中) | 見え方 | 次にやってみること |
|---|---|---|
| 9個以上 | 文学部の学び方と相性がよさそう | 気になる専攻を2〜3個にしぼる |
| 5〜8個 | 好きな力と苦手な力がはっきりしている | 好きな力が活きる専攻を探す |
| 4個以下 | 今はまだ文学部の学び方になじみが薄い | 他の学部と並べて比べてみる |
4個以下でも、文学部に向いていないと決めつける必要はありません。「書くのは苦手だけど、調べるのは好き」という方は、史料や資料を扱う専攻が合うこともあります。
専攻ごとに活きる力は少しずつ違う
同じ文学部でも、専攻によってよく使う力の組み合わせが変わります。チェックで印が多かった力から、合いそうな専攻の当たりをつけてみてください。
| 専攻の例 | よく使う力 | 例えばこんな学び |
|---|---|---|
| 日本文学・外国文学 | 読む・書く | 作品を読み込み、自分の解釈を文章にする |
| 日本史・東洋史・西洋史 | 調べる・読む | 史料を探して読み、出来事の背景を考える |
| 哲学・倫理学 | 問う・書く | 当たり前の考えを問い直し、筋道立てて書く |
| 言語学・日本語学 | 問う・調べる | 言葉の使われ方を集めて、決まりを見つける |
| 心理学・社会学 | 調べる・問う | 調査やデータから人や社会を考える |
この表は、学び方の傾向をざっくり分けたものです。専攻の名前や中身は大学ごとに違うので、志望校の専攻一覧で確かめてみてください。
「調べるのは好きだけど、読むのは苦手」という方なら、史学や心理学・社会学の専攻の授業内容を先に見てみるのも一つの手です。
文学部に向いていない人と言われるのはどんな時?
文学部に向いていない人がいる、というより、文学部の学び方と合わない場面がある、と考えるほうが近いです。合わない場面を知っておけば、自分で工夫できます。
『文学部に向いてない人の特徴を知っておきたい』という方も多いですよね。不安を減らすためにも、苦労しやすい場面を先に見ておきましょう。
すぐに答えがほしいタイプ
文学部の学びは、答えが一つに決まらない問いを扱うことが多いです。「正解を早く教えてほしい」と感じる人は、最初は戸惑うかもしれません。
ただ、これは慣れの部分も大きいんです。演習の授業で、他の人の読み方を聞くうちに、答えが一つでないことを面白いと感じる人も少なくありません。
例えば演習では、こんなやり取りがよくあります。
「この場面の主人公は、本当は怒っていたと読みました」
「私は、怒りより寂しさに近いと思いました。直前の会話がそう読めるからです」
どちらが正しいかを決めるより、根拠を出し合って読みを深めるのが文学部の面白さです。最初は戸惑っても、このやり取りを楽しめるようになれば十分に向いていますよ。
長い文章を書くのがどうしてもつらいタイプ
文学部では、レポートと卒業論文で長い文章を書く機会が続きます。書くこと自体がつらいと感じる人は、負担が大きく感じるはずです。
とはいえ、書く力は大学の授業で練習していくものです。例えば早稲田大学の文学部では、1年次に学術的文章の作成を学ぶ授業があります。立命館大学の文学部でも、1年次に「リテラシー入門」「研究入門」という少人数の授業を置いています。
学んだことをすぐ仕事に直結させたいタイプ
「大学で学んだことを、そのまま仕事の技術として使いたい」と考える人もいますよね。
文学部の学びは、特定の職業の訓練というより、読み、考え、伝える力を育てるものです。資格や職業に直結させたい気持ちが強いなら、他の学部も並べて比べてみるのがおすすめです。
- 答えが一つに決まらない問いを考える
- 時間をかけて資料を読み込む
- 自分の考えを文章にまとめる
- すぐに正解を知りたい時
- 長い文章を書くのが続く時
- 学びを職業の技術に直結させたい時
「本をあまり読まないから向いていない」と、自分を早めにふるいにかけてしまう。読む量より、読んだ物について考えたいかどうかのほうが大事です。
文学部に向いている人の、意外な特徴
文学部に向いている人は、物静かな読書家だけではありません。人と話すのが好きな人、数字やデータが好きな人にも活きる場面があります。
文学部というと、静かに本を読んでいるイメージが強いですよね。でも、実際の学び方を見ると、意外なタイプが活躍する場面もあるんです。
人と話すのが好きな人
文学部の演習では、少人数で読み方や考えを発表し合います。人の意見を聞いて、自分の考えを言葉にするのが好きな人は、演習の時間が楽しく感じるはずです。

中央大学の文学部では、1年次のクラス担任制や、4年次の卒業論文の指導教員制をとっています。教員1人あたり1学年10名程度という少人数での指導です。
数字やデータが好きな人
文学部の中には、心理学や社会学、地理学などの専攻を置く大学もあります。調査やデータから人や社会を考える分野です。
「数学が得意だから文学部は向いていない」と思う必要はありません。数字で考える力が活きる専攻もあるので、専攻の一覧を見てみてください。
一つのことにこだわれる人
文学部の4年生は、卒業論文で一つのテーマを深く掘り下げます。好きなことを長く追いかけられる人は、卒業論文の時期に力を発揮しやすいです。
言葉の使い方に引っかかる人
友達との会話で、『その言い方、どこから来たんだろう』と気になったことはありませんか。
「やばい、って昔はいい意味じゃなかったらしいよ」
「え、そうなの?いつから変わったんだろう」
こんな小さな引っかかりは、言語学や日本語学の入り口そのものです。言葉への好奇心は、文学部で大きく育てられる力なんです。
中教審の答申「学士課程教育の構築に向けて」には、大学で身につける力の参考が示されています。その中には、多文化・異文化の理解や、コミュニケーション・スキル、論理的思考力などが並んでいます。文学部の学びは、こうした力と重なる部分が多いんです。
チェックに当てはまらない時の考え方
チェックの数が少なくても、それは「今の時点」の結果です。迷う時は、文学部の中の専攻を細かく見るか、他の学部と並べて比べるかのどちらかで考えてみましょう。
『チェックの数が少なくて、ちょっと落ち込んだ』という方もいるかもしれません。でも、大丈夫です。
高校までの勉強と、大学の学び方はかなり違います。高校で文章を読む機会が少なかっただけ、ということも多いんです。
- 文学部の専攻一覧を見て、気になる分野を1つ選ぶ
- その分野の入門書を1冊、図書館で借りて読んでみる
- 読んで考えたことを、400字くらいで書いてみる
- 書くのが楽しかったか、つらかったかを振り返る
- 他の学部の学び方とも比べてみる

この5つを試すと、「文学部の学び方」を少しだけ体験できます。楽しいと感じたなら、今のチェックの数は気にしなくて大丈夫ですよ。
4つの力は4年間でこう育つ
『今は自信がないけど、入学してから身につくの?』と気になりますよね。多くの文学部では、学年が上がるにつれて4つの力を順番に使うようになります。
| 学年 | 主な学び | 特に使う力 |
|---|---|---|
| 1年生 | 基礎の授業や入門の演習で、学び方そのものを学ぶ | 読む・書く |
| 2年生 | 専攻に分かれ、専門の授業が増える | 読む・調べる |
| 3年生 | 少人数の演習で発表し、問いを深める | 問う・調べる |
| 4年生 | 卒業論文で一つのテーマをまとめる | 4つすべて |
専攻に分かれる時期は大学ごとに違います。慶應義塾大学の文学部のように2年次から専攻に分かれる大学もあれば、入学時から学科が決まっている大学もあります。
どの大学でも、最初から完成した力を求められるわけではありません。1年生の授業で「読み方」「書き方」から教わるので、安心してくださいね。
保護者の方が見ておきたいこと
お子さんの文学部志望について、『本当に向いているのか』と心配される保護者の方もいるはずです。
そんな時は、セルフチェックの結果を一緒に見ながら、どの力に印がついたかを聞いてみてください。
「調べ始めると止まらないって、昔からそうだったよね」
「うん。歴史の資料館に行くと、ずっと見ちゃう」
こんな会話から、本人が気づいていない向き不向きが見えてくることもあります。決めるのは本人ですが、話すきっかけとしてチェックを使ってみてください。
他の学部と迷っている時
文学部と法学部や経済学部で迷っている方は、「どんな問いなら4年間考え続けられるか」で比べてみてください。違いは文学部と法学部・経済学部の違い|迷った時の決め方で紹介しています。
文学部の良さや楽しさを知りたい方は、文学部の魅力とメリット|楽しいと感じる瞬間も参考になります。
文学部に向いてる人について、よくある相談
受験生からの相談は、「どんな人が向いているか」「向いていない人の特徴」「本をたくさん読んでいないとつらいか」が特に多く見られます。
相談1 文学部はどんな人に向いていますか?
文学部はどんな人に向いていて、どんな授業があるのか、という相談はとても多く見られます。
答えは、この記事で見てきた「読む」「問う」「書く」「調べる」の4つの力を伸ばしたい人です。授業は、講義のほかに、少人数で文章や資料を読み合う演習が多いのが特徴です。
例えば慶應義塾大学の文学部では、1年次に「特論」などで各専攻を体験してから、2年次に専攻に分かれます。入学してから専攻を選べる大学もあるので、高校生の時点で分野を一つに決めきれなくても大丈夫です。
相談2 文学部に向いていない人の特徴は?
「向いていない人の特徴を知って、自分が当てはまるか確かめたい」という相談もあります。
この記事で紹介したように、すぐに答えがほしい時や、長い文章を書くのが続く時に、苦労を感じる人はいます。ただ、どれも授業で練習していける部分です。
大切なのは、苦手な場面があるかどうかより、その苦手と付き合いながら学びたいテーマがあるかどうかです。
相談3 本をたくさん読んでいないと、文学部はきつい?
『ただ文学や古典に興味があるだけ。本をいっぱい読んでいる人じゃないとついていけない?』という相談もよくあります。
結論から言うと、入学前の読書量で決まるわけではありません。大学では、授業で扱う本や資料を読むところから始まります。
むしろ大事なのは、興味を持った分野の本を、入学後に読み続けられるかどうかです。「興味がある」という気持ちは、立派なスタートラインですよ。
相談4 高校の国語の成績がよくないけど大丈夫?
『国語の点数が低いのに、文学部を目指していいのかな』という相談も見かけます。
高校の国語のテストは、決まった時間で正解を選ぶ形が中心ですよね。文学部の学びは、時間をかけて読み、自分の考えを書く形が多く、求められる力が少し違います。
もちろん、入試では国語の点数が必要になる方式が多いです。入試対策は別に進めつつ、向き不向きはこの記事の4つの力で考えてみてください。
相談5 似た学部で迷っている
早稲田大学の文学部と文化構想学部のように、近い学部で迷う相談もあります。
早稲田大学の公式の学部選びQ&Aでは、1年次は両学部ほぼ同じ講義を受け、違いは2年次からの所属先だと説明しています。文学部は伝統的な学問分野ごとの「コース」、文化構想学部は分野を横断する「論系」です。
「一つの分野を深めたいか、分野をまたいで考えたいか」で、向き不向きを考えてみてください。
向いてるか迷ったら、大学の資料で確かめる
文学部に向いているかどうかは、実際の授業や専攻の中身を見ると判断しやすくなります。気になる大学の資料を並べて、学び方を比べてみましょう。
ここまでチェックしてみて、『向いていそうだけど、まだ決めきれない』という方もいるはずです。
大学のパンフレットには、専攻ごとの授業の例や、1年生から4年生までの学びの流れが載っています。何校か並べると、学科の分け方や取れる資格の違いが見えてきますよ。
資料を読む時は、セルフチェックで印が多かった力が、どの専攻の授業で活きそうかを探してみてください。授業名の一覧を眺めて「これを受けてみたい」と思える物が3つ以上あれば、その専攻は候補に入れていいはずです。
資料を見比べた結果、他の学部のほうがしっくりくることもあります。それも、自分に合う進路を見つける大事な一歩です。
進学情報サイト
気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる
なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。
資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)
大学の選び方の考え方は、文学部のおすすめ大学の選び方|強い大学を自分の基準で探すで紹介しています。「文学部は意味ない」と言われて不安な方は、文学部は意味ない?不要論にどう答えるかも読んでみてください。
よくある質問
文学部に向いてる人の特徴は何ですか?
文章を読んで考えること、問いを立てること、調べること、書くことのどれかに「やってみたい」と思える人です。今の時点で得意である必要はなく、伸ばしたいと思えるかが大事です。
文学部に向いていない人はいますか?
すぐに答えがほしい時や、長い文章を書くのが続く時に、苦労を感じる人はいます。ただ、どれも授業で練習していける部分なので、学びたいテーマがあるかどうかを先に考えてみてください。
本をあまり読まないのですが、文学部に向いている人と言えますか?
入学前の読書量より、興味のある分野の本を入学後に読み続けられるかが大事です。まずは気になる分野の入門書を1冊読んでみてください。
理系科目が得意でも文学部に向いていますか?
向いている可能性は十分にあります。心理学や社会学、地理学など、データを扱う専攻を置く文学部もあるので、専攻の一覧を確かめてみてください。
まとめ
- 文学部に向いてる人は「読む」「問う」「書く」「調べる」の4つの力を伸ばしたいと思える人
- セルフチェックは「今できるか」ではなく「やってみたいか」で答える
- 文学部に向いていない人と言われる場面も、授業で練習していける
- チェックの数が少ない時は、入門書を読んで書いてみる体験から始める
- 迷ったら、大学の資料で専攻の中身と学び方を比べる





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