文学部生の本の読み方|読むべき本の選び方と教科書

図書館の机で本と読書ノートを広げる手元と、文学部で読むべき本の選び方を紹介する記事タイトル

当サイトは文部科学省・e-Gov法令検索・人事院など公的機関の情報と、各大学の公式サイトの公開情報をもとに編集部が独自に執筆しています。学科・入試・学費は年度によって変わるため、最新の内容は各大学の公式サイトや募集要項で確認してください。記事内には広告を含む場合があります。

文学部に入ることが決まって、『みんなが読んでいる本を、自分は全然読んでいないかも』と焦っている方もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、文学部で読むべき本は「有名な作品のリスト」ではなく、入門書から研究書へと進む4つの段階で選ぶと迷いません。

この記事では、作品名のリストの代わりに、自分で本を選べるようになる読み方の地図を紹介します。

目次

文学部で読むべき本は「4つの段階」で選ぶ

先に結論

文学部の本は、①入門書、②概論の教科書、③原典、④研究書の4段階で考えると選びやすくなります。いきなり難しい本から読まなくて大丈夫です。今の自分がどの段階にいるかを確かめて、一つ上の段階の本を選んでみてください。

『文学部なら、あの名作は読んでおかないと』と思う方は多いですよね。

もちろん、作品を読むことは大切です。ただ、大学の授業で求められるのは「たくさん読んだか」より「どう読んだか」なんです。

そこでこの記事では、本の選び方を4つの段階に分けてみました。

段階どんな本?読む目的読む時期の目安
入門書専門家が一般向けにやさしく書いた本その分野の面白さと全体像をつかむ入学前から1年次
概論の教科書授業で指定される、分野の基本をまとめた本用語と考え方の基本を身につける1年次から2年次
原典研究の対象になる作品・史料・思想家の文章自分の目で一次資料を読む2年次から
研究書専門家が原典を分析した本や論文他の人の読み方を知り、自分の考えと比べる3年次から卒論まで
文学部で読む本を入門書・概論の教科書・原典・研究書の4段階に分け、読む目的と時期を並べた図解

入門書は「面白さ」を知るための本

入門書は、その分野の研究者が、初めて学ぶ人向けに書いた本です。

新書や選書のシリーズに多く、専門用語を使わずに分野の全体像を見せてくれます。

例えば、日本史に興味があるなら「歴史の研究とはどういうものか」を紹介する一冊。哲学なら「哲学の問いとは何か」を語る一冊です。

入学前の時期なら、ここから始めるのがおすすめです。

概論の教科書は「共通の言葉」を覚える本

1年次の概論や入門講義では、先生が教科書を指定することがよくあります。

概論の教科書は、分野の基本的な用語や考え方をまとめた本です。

読んでいて退屈に感じることもあるかもしれません。でも、ここで覚えた言葉が、ゼミでの議論やレポートで「共通の言葉」になっていきます。

原典と研究書は「自分の読み」を作る本

2年次以降は、研究の対象そのものである原典を読む機会が増えます。

原典とは、作品・史料・思想家が書いた文章など、研究のもとになる資料のことです。

そして3年次からは、研究書や論文を読んで「他の人はこう読んでいる」と知り、自分の読みと比べていきます。

この段階になると、読むべき本は人から教えてもらうより、自分で探すものになっていきます。

文学部の教科書はどう決まる?授業で使う本の見つけ方

先に結論

文学部の教科書は、授業ごとに先生が決めます。シラバス(授業計画)に「教科書」「参考書」として書かれているので、まずはそこを確かめるのが一番確実です。

『文学部の教科書って、高校みたいに全員同じものを配られるの?』と思うかもしれません。

実は、大学では授業ごとに先生が教科書を選びます。同じ「文学概論」でも、大学や先生によって使う本は違うんです。

授業で使う本を見つける手順
  1. 履修登録の前に、大学のシラバスを開く
  2. 授業ごとの「教科書」と「参考書」の欄を確かめる
  3. 教科書は買うか、図書館にあるかを調べる
  4. 参考書は、授業が始まってから必要に応じて読む
  5. 授業中に先生が名前を挙げた本をメモしておく

教科書と参考書の違い

シラバスには、「教科書」と「参考書」が分けて書かれていることが多いです。

書き方どういう本?どうすればいい?
教科書授業で毎回使う本手元に置いて、書き込みながら使う
参考書・参考文献理解を深めるために読む本図書館で借りて、必要な章から読む
授業中に紹介された本先生がすすめる関連書メモしておき、レポートの時に読む

教科書は書き込みながら使うことが多いので、手元にあると便利です。

参考書は全部買う必要はありません。大学の図書館には、授業の参考書がそろっていることが多いので、まずは借りて読んでみてください。

教科書は「最初から最後まで」読まなくていい

『教科書を全部読まないといけないの?』と不安になりますよね。

概論の教科書は、授業の進み方に合わせて、その回に扱う章を読めば十分なことがほとんどです。

予習で章のはじめとまとめだけ読んでおき、授業の後で本文を読み直す。これだけで、授業の理解がぐっと深まります。

文学部生におすすめの本の読み方

先に結論

文学部の本は、目的に合わせて読み方を変えるのがコツです。全部を同じ速さで読もうとしないこと。ここが、本が苦手な人ほど知っておきたいところです。

本の選び方と同じくらい大事なのが、読み方です。

文学部では、目的によって3つの読み方を使い分けます。

読み方どう読む?向いている本
通読最初から最後まで流れをつかむ入門書・概論の教科書
精読一文ずつ、言葉の意味を確かめながら読む原典・ゼミで扱う文章
拾い読み目次と索引から、必要な章だけ読む研究書・参考文献

例えばゼミでは、数ページの原典を1回の授業でじっくり読むこともあります。

一方で、レポートの参考文献は、目次を見て必要な章だけ読むことも多いです。

読んだ本はメモに残す

文学部の本の読み方で、一番役に立つのがメモを残す習慣です。

レポートや卒論を書く時、『あの本のどこかに書いてあったはず』と探し回ることがよくあるんです。

読書メモに残しておきたいこと
  • 書名・著者名・出版社・出版年
  • 大事だと思ったページ番号と、その内容
  • 自分が「なぜ?」と思ったところ
  • 次に読みたい本(参考文献から)

書名や出版年まで残しておくと、レポートで参考文献を書く時にそのまま使えます。

読んだ本を「人に説明する」練習

もう一つ、文学部で役立つのが、読んだ本の中身を短く説明する練習です。

ゼミの発表や面接、レポートでは「この本には何が書いてあり、自分はどう考えたか」を言葉にする場面がよくあります。

例えば、読み終えたらこんなふうに2文でまとめてみてください。

「この本は、ある時代の言葉の変化を手紙から調べている。自分は、手紙の相手によって言葉が変わる点がいちばん面白かった」

社会人が学び直す通信教育課程でも、本を読んで論評する力は求められます。

例えば慶應義塾大学通信教育課程の正科生の志望理由書には、書籍1冊の概要と論評を書く欄があります。学びたい分野に関わる本を選んで書く形です(2026年10月入学向けの出願マニュアルより)。

レポートの書き方は文学部のレポートの書き方|テーマ選びと構成で紹介しています。

読むべき本を自分で見つける方法

先に結論

文学部で読むべき本を見つける一番の近道は、今読んでいる本の「参考文献」をたどることです。一冊読むと、次に読むべき本が自然に見えてきます。

ネットで文学部生向けのおすすめの本を探すと、いろいろな本のリストが出てきますよね。

参考にするのはいいのですが、リストの本が自分の専攻やテーマに合うとは限りません。

参考文献をたどる

入門書や教科書の巻末には、たいてい参考文献のリストがあります。

気になったテーマの参考文献を1冊読み、その本の参考文献からまた1冊選ぶ。これをくり返すと、自分のテーマに合う本が少しずつ集まっていきます。

文学部で読むべき本を参考文献をたどって見つける流れを示した図解

先生や図書館に聞く

『何を読めばいいか分からない』時は、授業の後に先生に聞いてみるのもおすすめです。

「この授業で扱ったテーマをもう少し知りたいのですが、最初に読むならどの本がいいですか?」

こう聞けば、自分の段階に合った本を教えてもらえることが多いです。大学図書館のレファレンス(相談)窓口も、資料探しを手伝ってくれます。

よくある失敗
  • 有名な作品のリストを上から順に読もうとして、途中で疲れてしまう
  • いきなり研究書から読んで、用語が分からず挫折する
  • 読んだ本のメモを残さず、レポートの時に探し直す

卒論で必要な本の探し方は、文学部の卒論|テーマの決め方・文字数・書き方でも紹介しています。

よくある相談:文学部と本について

ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている文学部と本についての声から、よく見られるものを要約して紹介します。

相談1 文学部に進学する前に、読んでおくべき本は?

文学部への進学が決まり、入学までに読んでおくべき本を知りたいという相談です。

入学前なら、自分の興味がある分野の入門書を1〜2冊読んでおくのがおすすめです。

回答のポイント

有名な作品を何冊読んだかより、「この分野のどこに興味があるか」が言えることのほうが、入学後に役立ちます。入門書を読んで気になったテーマを、メモに書き出しておきましょう。

相談2 本を読むのが好きじゃないけど、文学部に行っていい?

文学部に興味はあるけれど、正直なところ本を読むのがあまり好きではない、という相談です。

『本好きじゃないと、ついていけないのでは』と心配になりますよね。

文学部に入ってから、読み方を覚えて本が好きになる人もいます。授業で読む本は、目的がはっきりしているぶん、読みやすいと感じる人もいるんです。

ただ、授業で決まった文献を読む場面は多いので、読むこと自体を避けたい場合は、他の学部も含めて考えてみるといいかもしれません。

相談3 たくさん本を読んでいる人じゃないと、文学部はキツい?

本をたくさん読んできたわけではないけれど、文学や古典への興味だけで文学部を志望していいか、という相談です。

結論から言うと、興味があれば十分なスタートです。

入学前に読んだ量より、入学後に「読み方」を身につけられるかのほうが大事です。4段階の入門書から始めれば、少しずつ読める本が増えていきます。

面接で読書について聞かれた時の準備は、文学部の面接・小論文・口頭試問|よく聞かれる質問と準備を参考にしてみてください。

学ぶ分野で読む本は変わる

最後に、読む本は専攻によってかなり変わります。

歴史の専攻なら史料、哲学の専攻なら思想家の文章、言語の専攻なら言葉のデータを集めた資料。同じ文学部でも、読むものが違うんです。

どんな分野があるかは、文学部で何を学ぶ?学べることと授業の中身で紹介しています。

これから文学部を考える家族や後輩がいたら、専攻ごとの授業や読む本の違いを、大学のパンフレットで比べてみるように伝えてあげてください。

進学情報サイト

気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる

なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。

資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す

(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)

よくある質問

文学部で読むべき本のおすすめを教えてください。

まずは自分が興味のある分野の入門書から読むのがおすすめです。専門家が初めて学ぶ人向けに書いた新書や選書から始めると、その分野の全体像がつかめます。

文学部の教科書はどこで買えますか?

授業ごとに先生が決めるので、まずシラバスで書名を確かめましょう。大学の書店で扱っていることが多く、図書館で借りられる場合もあります。

文学部の本は全部買う必要がありますか?

毎回使う教科書は手元にあると便利ですが、参考書まで全部買う必要はありません。大学の図書館で借りて、必要な章から読めば大丈夫です。

入学前に文学部の教科書を読んでおくべきですか?

教科書は授業が始まってから指定されることが多いので、入学前に無理に読まなくて大丈夫です。入学前は、興味のある分野の入門書を読んで、気になったテーマをメモしておくほうが役に立ちます。

本を読むのが遅くても文学部でやっていけますか?

やっていけます。文学部では速く読むより、言葉を確かめながら正確に読むことが求められる場面が多いです。読み方を目的で使い分けると、読む時間も短くなっていきます。

まとめ

文学部で読むべき本は、有名な作品のリストより、自分の今の段階で選ぶのが近道です。

入門書で面白さを知り、教科書で基本を身につけ、原典と研究書で自分の読みを作る。この順番を意識すると、本選びに迷わなくなりますよ。

この記事の要点
  • 文学部で読む本は入門書・概論の教科書・原典・研究書の4段階で選ぶ
  • 教科書は授業ごとに先生が決めるので、シラバスで確かめる
  • 通読・精読・拾い読みを、目的に合わせて使い分ける
  • 次に読む本は、今読んでいる本の参考文献からたどる
  • 本が苦手でも、入学後に読み方を身につけていく人は多い
文学部ドットコム

文学部ドットコム 編集部

文学部で何を学ぶのか、学科・専攻の違い、大学の選び方、入試・学費、卒論、就職や資格までを、公的な情報と大学の公式情報をもとにまとめている情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次