文学部で何を学ぶ?学べることと授業の中身

講義室の机で本とノートに書き込む手元と、文学部で何を学ぶかを紹介する記事タイトル

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文学部が気になっているけれど、『結局、文学部って何学ぶの?』と聞かれると、うまく答えられない。そんなモヤモヤを抱えている高校生や保護者の方も多いですよね。

結論から言うと、文学部で何を学ぶかは「人間が残してきた言葉や記録を、読んで・調べて・考えて・書く」ことです。専攻によって対象は変わっても、この4つの力を4年間かけて鍛えていきます。

この記事を読めば、文学部の授業の中身と、自分の興味に合う学び方かどうかがイメージできるはずです。

目次

文学部は何を学ぶ?結論は「人間を知るための読み方と調べ方」

先に結論

文学部の学ぶ内容は、文学・歴史・哲学・心理学・言語学・芸術など、人間とその文化に関わることです。どの専攻でも、資料を読み込み、根拠をもとに自分の考えを書くところまでが学びの中心になります。

「文学部」と聞くと、小説をたくさん読む学部を思い浮かべる方が多いと思います。

もちろん文学作品を研究する専攻もあります。ただ、大学の文学部はもっと幅が広いんです。

例えば、文学部の中にこんな専攻が並んでいることがよくあります。

専攻の例どんなことを学ぶ?
日本文学・国文学古典から近代までの作品と、日本語の表現
英米文学・外国文学外国語の作品を原文で読み、その国の文化を知る
史学(日本史・東洋史・西洋史)史料から、過去の出来事の理由を考える
哲学・倫理学「よく生きるとは」などの問いを、思想家の文章から考える
心理学・社会学人の心や集団の行動を、調査や実験で確かめる
言語学言葉の仕組みや、言葉が変わっていく理由を調べる
美学・美術史作品の見方や、作品が生まれた時代の背景を探る

どの大学にどの専攻があるかは、大学ごとに違います。文学部の全体像は文学部とは?何を学ぶ学部かをやさしく解説でも紹介しています。

文学部でどんなことを学ぶのか、ひと言でいうと

『専攻がバラバラすぎて、共通点が見えない』と思った方もいるかもしれません。

実は、共通しているのは「人間について、答えが一つに決まらない問いを考える」ことなんです。

例えば、「この時代の人はなぜこの言葉を使ったのか」「なぜ人は同じ場面で違う判断をするのか」といった問いです。

こうした問いに、資料という根拠を集めて自分なりの答えを出す。これが、文学部で学べることのいちばんの特徴です。

高校の国語・社会との違い

『高校の国語や日本史と、何が違うの?』という疑問もよく聞きます。

いちばんの違いは、「答えを覚える」側から「答えを出す」側に回ることです。

高校までの勉強
  • 教科書に書かれた内容を理解して覚える
  • 問題には決まった正解がある
  • 先生が範囲と進め方を決めてくれる
文学部の勉強
  • 資料から、まだ書かれていない答えを探す
  • 根拠があれば、人と違う答えでもいい
  • テーマも進め方も、自分で決める場面が増える

例えば高校では「この作品の主題は何か」を習います。文学部では、「本当にそれが主題と言えるのか」を資料から確かめ直すこともあるんです。

最初はとまどう人も多いですが、慣れてくると「自分で答えを見つける」面白さに変わっていきます。

文学部で学べることを「4つの力」で見てみる

この章のポイント

文学部の勉強内容は、「読む力」「調べる力」「考える力」「書く力」の4つに分けると、どの授業で何が身につくのかが分かりやすくなります。

学科や専攻の名前だけを見ても、どんな力がつくのかは見えにくいですよね。

そこでこの記事では、文学部の学びを4つの力に分けて、それぞれがどの授業で身につくかを表にしてみました。

力何ができるようになる?主に身につく授業
読む力古い文章や外国語の文章を、言葉の意味を確かめながら正確に読む講読・外国語の授業・概論
調べる力図書館や資料館で、根拠になる資料や先行研究を探す演習・実習・フィールドワーク
考える力集めた資料から、何が言えるかを筋道立てて考えるゼミ・演習での発表と議論
書く力根拠を示しながら、自分の考えを人に伝わる文章にするレポート・卒業論文
文学部で身につく読む力・調べる力・考える力・書く力と、それぞれが身につく授業をまとめた図解

読む力は「ゆっくり読む」ことで育つ

文学部の「読む」は、速く読むことではありません。

一つの文章を、言葉の意味や書かれた時代を確かめながら、何週もかけて読むこともあります。

『そんなにゆっくり読んで、何が分かるの?』と思いますよね。ゆっくり読むと、ふつうに読んでいたら見落とす小さな言葉の違いに気づけるんです。

調べる力は「根拠を探す」練習

調べる力は、自分の考えの裏付けを探す力です。

例えば歴史の専攻なら、教科書に書かれていることでも、もとになった史料にさかのぼって確かめます。

心理学や社会学の専攻なら、アンケートや実験でデータを集めることもあります。

考える力と書く力はゼミで鍛えられる

考える力と書く力は、ゼミでの発表とレポートでくり返し鍛えられます。

ゼミでは、こんなやり取りがよくあります。

「その解釈の根拠は、本文のどこにありますか?」
「3ページ目のこの表現です。前の場面と比べると意味が変わっていて…」

根拠を示して説明する練習を重ねるうちに、人に伝わる文章が書けるようになっていきます。

学年によって学ぶ内容はどう変わる?

4つの力は、学年が上がるにつれて使い方が変わっていきます。

学年主な学ぶ内容特に鍛えられる力
1年外国語・教養科目・文学部の入門読む力
2年専攻の概論・講読読む力・調べる力
3年ゼミ・演習・実習調べる力・考える力
4年卒業論文考える力・書く力

1年で身につけた読む力が、4年の卒業論文で全部つながっていくイメージです。

卒業論文の進め方は、文学部の卒論の書き方で詳しく紹介しています。

文学部の授業・講義はどんな内容?

先に結論

文学部の授業は、大きく「講義」「演習(ゼミ)」「語学」「実習」に分かれます。1〜2年は講義と語学が多く、学年が上がるほど少人数の演習が増えていきます。

文学部の授業と聞いても、高校の授業との違いがイメージしにくい方も多いはずです。

ここでは、授業の種類ごとに中身を見ていきます。

授業の種類どんな授業?よくある課題
講義先生が専門分野の基本や研究の話をする学期末の試験やレポート
演習・ゼミ少人数で、担当者が発表して全員で議論する発表の準備・レジュメ作り
語学英語やほかの外国語を、読む・書く・話す小テスト・予習
実習資料館や現地での調査、博物館実習など調査の記録・報告書
文学部の授業の種類を講義・演習・語学・実習の4つに分けて、学年とともに演習が増える流れを表した図解

文学部の講義は「研究の入り口」

文学部の講義は、高校の授業より専門的な話が中心です。

例えば日本史の概論なら、出来事を覚えるより「なぜそう言えるのか」という研究の考え方を学びます。

『講義を聞いているだけで大丈夫?』と不安になるかもしれません。講義で紹介された本や論文を自分で読んでみると、理解がぐっと深まりますよ。

予習と復習も授業のうち

大学設置基準第21条では、1単位は45時間の学修が標準とされています。この45時間には、授業時間だけでなく予習と復習の時間も含まれます。

つまり、授業で聞く時間と同じくらい、自分で読んだり調べたりする時間が前提になっているんです。

よくある失敗

講義に出席するだけで、指定された文献を読まずに学期末を迎えてしまうことです。レポートで根拠を書こうとした時に、手元に材料が何もない状態になってしまいます。

授業の中身は大学の資料で確かめられる

文学部の授業の中身は、各大学のシラバス(授業計画)や履修案内で確認できます。

気になる大学があれば、「概論」「講読」「演習」がどれくらいあるかを見てみてください。その大学の文学部が、どんな学び方を大事にしているかが見えてきます。

シラバスを見る時のチェック
  • 1〜2年の必修に、どんな語学や入門の授業があるか
  • 演習やゼミが何年から始まるか
  • 資料館や現地に出かける実習があるか
  • 卒業論文が必修になっているか

1年から4年までの授業の流れは、文学部って何する?4年間の流れで詳しく紹介しています。

他学部の授業を取れることも

大学によっては、ほかの学部の授業を履修して単位にできる仕組みがあります。

例えば、心理学を学びながら経済学部の統計の授業を取る、といった組み合わせです。

『文学部に入ったら、文学部の授業しか受けられない』と思っている方もいますが、そうとは限りません。興味が広い方は、他学部の授業をどこまで取れるかも、大学選びの時に見ておくといいですよ。

専攻によって勉強内容はどう違う?

先に結論

専攻によって、読む資料・調べる方法・書く論文の形が変わります。興味のある対象だけでなく、「どんな作業が好きか」で選ぶのもおすすめです。

同じ文学部でも、専攻によって毎日の勉強内容はかなり違います。

文学部の何を学べるかを、専攻ごとの「よくする作業」で比べてみましょう。

専攻よくする作業こんな人に合いやすい
日本文学古典や近代の作品を注釈と照らして読む言葉の細かいニュアンスが気になる
英米文学英語の原文を読み、作品の背景を調べる英語を使って深く読みたい
史学古文書や記録を読み、出来事の理由を考える「なぜ」を資料で確かめたい
哲学思想家の文章を読み、問いを論じる一つの問いを長く考えられる
心理学調査や実験を計画し、データを分析する人の心を確かめる方法に興味がある
言語学言葉のデータを集めて、規則を見つけるパズルのように言葉を分析したい

例えば、本を読むのは好きでも、データを扱うのが好きなら心理学や言語学が合うこともあります。

逆に、『人と話すより、一人で資料と向き合う方が好き』という方なら、史学や哲学が楽しく感じられるかもしれません。

迷った時の選び方

専攻を選ぶ前に考えたいこと
  • 好きなのは「作品」か「出来事」か「人の心」か「言葉そのもの」か
  • 資料を読む作業と、データを集める作業のどちらが楽しいか
  • 卒業論文で、どんなテーマを書いてみたいか
  • その専攻で取れる資格(教員免許の教科など)は何か

主な学科・専攻の違いは、文学部の学科一覧で詳しく比べています。

専攻を決める時期にも注目

専攻をいつ決めるかも、大学によって違います。

入試の時に学科を選ぶ大学もあれば、入学してから専攻を選ぶ大学もあります。

例えば北海道大学の文学部は、1年次に全員が総合教育部に所属し、2年次に文学部へ進んでコースと研究室を選ぶ流れです(2026年10月時点の公式サイト掲載)。

まだ学びたいことが一つに決まっていない方は、入学後に専攻を選べる大学を探してみるのも一つの方法です。

文学部で学んだことは何に生きる?

先に結論

文学部で学んだことは、教員免許・学芸員・司書などの資格につながるほか、仕事で文章を読み書きする場面で役に立ちます。資格は、大学で所定の科目の単位を取ると得られます。

『文学部で学んだことって、仕事に役立つの?』という不安はよく聞きます。

ここでは、学んだことが形になりやすい資格を紹介します。

教員免許は専攻の勉強とつながっている

教員免許の授業には、文学部の専攻の勉強とつながる科目があります。

例えば、中学校の国語の免許では、教科の専門的な科目として「国語学」「国文学(国文学史を含む)」「漢文学」「書道(書写を中心とする)」が決められています(教育職員免許法施行規則第4条)。

中学校の英語なら「英語学」「英語文学」「英語コミュニケーション」「異文化理解」です。

補足

取れる免許の教科は、大学や学科がどの教科の課程を持っているかで決まります。高校では「社会」ではなく「地理歴史」「公民」という教科名になる点も覚えておきましょう。

学芸員・司書の科目

資格大学で学ぶ科目の例
学芸員博物館概論・博物館資料論・博物館展示論・博物館実習など
司書図書館概論・情報サービス論・児童サービス論・情報資源組織論など

学芸員は博物館法施行規則、司書は図書館法施行規則で、大学で学ぶ科目が決められています。

史学や美術史を学ぶ人が学芸員の科目を取ったり、文学を学ぶ人が司書の科目を取ったりと、専攻の勉強と組み合わせやすいのが文学部のよいところです。

資格の取り方の詳細は文学部で取れる資格で紹介しています。

仕事の中で生きる場面

資格のほかにも、文学部で鍛えた4つの力は、仕事のいろいろな場面で使われます。

文学部で鍛えた力仕事でこんな場面に生きる
読む力資料や依頼の文章を読み違えずに、相手の意図をつかむ
調べる力新しい企画の前に、必要な情報を集めて比べる
考える力集めた情報から、何を優先すべきかを判断する
書く力報告書やメールを、相手に伝わる順番で書く

どの仕事にも、文章を読んで、調べて、まとめる場面はありますよね。

文学部の勉強は、特定の職業に直結しにくい分、どの仕事にも持っていける力が残るんです。文学部の魅力については文学部の魅力とメリットでも紹介しています。

授業の名前や専攻の並びは、大学のパンフレットを見るといちばんよく分かります。気になる大学を2〜3校見比べてみると、自分が学びたい内容がどこにあるのか、はっきりしてきますよ。

進学情報サイト

気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる

なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。

資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す

(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)

知恵袋でよくある「文学部って何を学ぶ?」の相談

知恵袋のような質問サイトでも、「文学部って何を学ぶの?」という相談はとてもよく見かけます。ここでは、よく読まれている相談を内容をまとめて紹介します。

「経済学部志望だけど、文学部って何を学ぶところ?」

経済や商学を目指していて、併願先として文学部も気になり始めた、という相談です。

経済学部は、お金やモノの流れを数字やモデルで考える学部です。それに対して文学部は、言葉や記録を通して人間を考える学部です。

『どっちが役に立つの?』と比べるより、「数字で考えるのと、言葉で考えるのと、どちらが楽しいか」で考えてみてください。

「英語が好きだけど、英米文学科って何を学ぶの?」

英語が得意で英米文学科を考えている、という相談も多く読まれています。

英米文学科では、英語を使えるようになる授業に加えて、英語で書かれた作品を読み、その背景にある文化や歴史を学びます。

「英語を話せるようになりたい」が一番の目的なら、外国語学部も比べてみるといいかもしれません。英語を使って作品や文化を深く読みたいなら、英米文学科がぴったりです。

「教員免許のほかに、図書館司書の資格も取れる?」

文学部では教員免許以外に何が取れるのか、という相談です。

司書は、大学で図書館に関する科目を履修すると資格が得られます。学芸員も、博物館に関する科目の単位を取ることで目指せます。

ただし、どの資格の課程があるかは大学ごとに違います。気になる大学の「取得できる資格」のページを確かめておきましょう。

「法学部と文学部、何を学ぶところ?興味が広くて決められない」

経済や商学を考えていたけれど、興味が広がって法学部や文学部も気になってきた、という相談です。

興味が広いのは、とてもいいことですよね。決め手がない時は、「4年生の時に、どんなテーマで論文を書いていたいか」を想像してみてください。

例えば、こんな問いが浮かぶかどうかです。

「この法律は、社会のどんな問題を解決するために作られたんだろう」
「昔の人は、この出来事をどんな言葉で書き残したんだろう」

前の問いにワクワクするなら法学部、後の問いなら文学部が合っているかもしれません。

よくある質問

文学部では何を学べるのですか?

文学・歴史・哲学・心理学・言語学・芸術など、人間とその文化に関わることを学べます。どの専攻でも、資料を読み、調べ、考え、書く力を鍛えます。

文学部の授業は難しいですか?

高校の授業より専門的ですが、1〜2年は入門の授業から始まります。予習と復習の時間をとって、指定された文献を読んでおけば、少しずつ慣れていきます。

文学部の大学では何を学ぶか、どこで調べればいいですか?

各大学の公式サイトのカリキュラムやシラバス、パンフレットで確認できます。専攻の一覧と、演習・実習の授業名を見ると、学び方の違いが分かります。

文学部の講義はオンラインでも受けられますか?

大学によって違います。大学設置基準では、メディアを利用した授業で取れる単位は卒業要件のうち60単位までと決められています。

文学部で学ぶ内容は、社会人になってからも学べますか?

学べます。通信教育課程を持つ大学では、働きながら文学部の授業を受けることもできます。自分の生活に合う通い方かどうかを、各大学の案内で確かめてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 文学部で何を学ぶかは、人間が残してきた言葉や記録を読み・調べ・考え・書くこと
  • 学べることは「読む力」「調べる力」「考える力」「書く力」の4つで見ると分かりやすい
  • 授業は講義・演習(ゼミ)・語学・実習に分かれ、学年が上がるほど演習が増える
  • 専攻によって勉強内容と作業が違うので、好きな作業からも選んでみる
  • 教員免許・学芸員・司書は、所定の科目の単位を取ると資格が得られる
文学部ドットコム

文学部ドットコム 編集部

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