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3年生になって、『そろそろ卒論のテーマを決めないと』と言われたものの、何から手をつければいいか分からない。そんな文学部の学生さんは多いですよね。
結論から言うと、文学部の卒論は「テーマ決め」から「提出」までを6つの段階に分けると、今やるべきことがはっきりします。文字数や書式は大学ごとに違うので、まずは自分の学科の決まりを確かめるところから始めましょう。
この記事では、文学部の卒論の進め方を時間の流れに沿って紹介します。
文学部の卒論とは?最初に押さえたい3つのこと
文学部の卒論は、自分で立てた問いに、資料という根拠をもとに答える長い論文です。大学4年間の学びのまとめとして、多くの文学部で4年次に書きます。文字数・形式・締め切りは大学や学科で違うので、学科の案内を最初に確かめてください。
『卒論って、長いレポートのこと?』と思う方もいるかもしれません。
レポートとの一番の違いは、問いを自分で立てるところです。レポートは先生が出したテーマに答えることが多いですが、卒論はテーマから自分で決めます。
| 押さえたいこと | 中身 | 確かめる場所 |
|---|---|---|
| 何を書くか | 自分で立てた問いと、それへの答え | ゼミの先生との相談 |
| 文字数・形式 | 大学・学科・専攻ごとに決まりがある | 学科の卒論の手引き・ゼミの案内 |
| 単位と評価 | 卒論は学修の成果を評価して単位が決まる | 履修案内・シラバス |
大学設置基準では、卒業論文などは学修の成果を評価して単位数を定めることができるとされています(第21条第3項)。
そのため、卒論が必修か、何単位になるかは大学や学科で違います。
卒論の文字数は「学科の決まり」で確かめる
文学部の卒論の文字数は、よく気になるところですよね。
結論から言うと、文字数は大学・学科・専攻で大きく違います。ネットで見た数字をそのまま目標にするのはおすすめしません。
学科の卒論の手引きや、ゼミの先生の案内に「何字以上」「何字程度」と書かれていることが多いので、まずはそこを確かめましょう。
同じ大学でも、専攻によって文字数の目安が違うことがあります。外国文学の専攻では、外国語で書くかどうかの決まりがある場合も。自分の専攻の決まりを、先輩の話より先に公式の案内で確かめておくと安心です。
卒論の指導はどう受ける?
卒論は、多くの場合ゼミの先生(指導教員)の指導を受けながら書きます。
例えば中央大学文学部では、4年次の卒業論文・卒業研究は指導教員制です。教員1人あたり1学年10名程度と紹介しています(2026年10月時点の公式サイト)。
指導の受け方は大学ごとに違うので、3年次のゼミ選びの時に「卒論の指導がどう進むか」も聞いておくといいですよ。
卒論は6段階で進める:テーマ決めから提出まで
文学部の卒論は「テーマ決め」「先行研究」「資料集め」「構成」「執筆」「提出」の6段階で進みます。どの段階にいるかが分かると、焦りがぐっと小さくなります。
『卒論、間に合うかな』と不安になるのは、全体の流れが見えていないからかもしれません。
そこで、卒論の進め方を6つの段階に分け、時期の目安と一緒に表にしてみました。時期は一般的な目安で、締め切りは大学によって違います。
| 段階 | やること | 時期の目安 | この段階のゴール |
|---|---|---|---|
| 1 テーマ決め | 興味のあることから問いを立てる | 3年次の後半 | 一文で言える問いができる |
| 2 先行研究 | 同じテーマの論文や研究書を読む | 3年次の終わりから4年次の春 | まだ言われていないことが分かる |
| 3 資料集め | 作品・史料・データなど一次資料を集める | 4年次の春から夏 | 根拠に使える資料がそろう |
| 4 構成 | 章立てと、各章で言うことを決める | 4年次の夏 | 目次と各章の要約ができる |
| 5 執筆 | 本文を書き、先生に見てもらって直す | 4年次の夏から秋 | 最後まで一度書き終える |
| 6 提出 | 注・参考文献・書式を整えて提出する | 4年次の冬 | 締め切りに出し、口頭試問に備える |

一番時間がかかるのは「先行研究」と「資料集め」
卒論というと「書く」ことに目が向きがちです。
でも実は、時間がかかるのは書く前の段階なんです。
先行研究を読んで、自分のテーマについて何がすでに言われているかを知る。そのうえで、まだ言われていないことを探す。ここに時間をかけるほど、執筆が楽になります。
「書き始めるのが遅れる」が一番多い失敗
- テーマが決まらないまま夏休みを迎えてしまう
- 資料を集め続けて、書き始めるのが秋以降になる
- 先生に見せる前に全部書こうとして、大きく書き直すことになる
- 注や参考文献の書き方を最後に整えようとして、提出直前に慌てる
途中まででも、早めに先生に見てもらうのがおすすめです。
「まだ途中なのですが、この方向で進めていいか見ていただけますか?」と相談すれば、大きな書き直しを防げます。
文学部の卒論テーマの決め方
卒論テーマは、「好きなもの」から始めて「問い」の形にしぼっていくと決まります。大きすぎるテーマは、時代・対象・視点の3つでしぼると、卒論で扱える大きさになります。
『テーマが決まらない』という悩みは、文学部の卒論で一番多い相談の一つです。
最初から立派なテーマを考えようとしなくて大丈夫です。まずは、自分が気になっていることから始めてみてください。
- 授業やゼミで「面白い」「なぜ?」と思ったことを書き出す
- その中から、もう少し調べてみたいものを一つ選ぶ
- 時代・対象・視点の3つでしぼり込む
- 「〜は、なぜ〜なのか」という問いの形にする
- 先行研究があるか、資料が手に入るかを確かめる
- ゼミの先生に相談して、大きさを調整する
文学部の卒論例:テーマのしぼり方
大きなテーマを、卒論で扱える研究テーマにしぼる例を見てみましょう。作品名や人物名ではなく、しぼり方の型として読んでみてください。
| 専攻の例 | 最初の興味 | しぼった研究テーマの例 |
|---|---|---|
| 日本文学 | 近代の小説が好き | ある時期の小説で、手紙の場面がどう描かれているか |
| 外国文学 | 外国の物語に興味がある | ある国の物語が日本語に訳される時、呼びかけの言葉がどう変わるか |
| 日本史 | 江戸時代の暮らし | ある地域の記録から見る、祭りの準備の分担 |
| 哲学 | 「自由」とは何か | ある思想家の文章で、自由と責任がどう結びつけられているか |
| 言語学 | 若い人の言葉づかい | 会話の中で、言い切りを避ける表現がどんな場面で使われるか |
どの例も、「時代」「対象」「視点」のどれかでしぼり込んでいるのが分かりますよね。
こうして問いの形にしておくと、何を調べ、何を書けばいいかが見えてきます。
テーマが見つからない時のヒント
『そもそも興味のあることが思いつかない』という方もいますよね。
そんな時は、これまでに自分が書いたものや読んだものを見返すのが近道です。
- 今までのレポートで、一番書いていて楽しかったもの
- 授業のノートで、余白にメモや「?」を書き込んだところ
- ゼミの先輩たちの卒論の題目一覧(学科で公開されている場合)
- 図書館で、つい手に取ってしまう棚の本
例えば、先輩の題目一覧を見ながら、こんなふうに考えてみてください。
「この先輩は手紙を扱っているけど、自分なら日記で同じことを調べてみたいかも」
人のテーマをそのまま使うのはいけませんが、しぼり方や資料の選び方は大いに参考になります。
研究内容が大きすぎないかのチェック
テーマが決まったら、卒論で扱える大きさかを確かめてみましょう。
- 問いを一文で言えるか
- 主に扱う資料(作品・史料・データ)がはっきりしているか
- その資料が自分で手に入るか
- 同じテーマの先行研究が、少なくともいくつか見つかるか
- 締め切りまでに読み切れる量か
5つのうち、答えにつまる項目があれば、テーマをもう一段しぼるサインです。
文学部で何を研究できるかの全体像は、文学部で何を学ぶ?学べることと授業の中身も参考になります。
先行研究と資料集めのコツ
先行研究は「自分の問いについて、誰が何を言ってきたか」を知るために読みます。資料集めは、問いに答えるための根拠を集める作業です。どちらも、読んだ内容と出典をメモに残しながら進めるのがコツです。
『先行研究って、どこまで読めばいいの?』と迷いますよね。
全部を読むことはできないので、まずは自分のテーマに一番近い論文や研究書を何本か読むところから始めます。
先行研究の探し方
先行研究は、大学図書館の蔵書検索や論文のデータベースで探せます。
一本読んだら、その論文の注や参考文献から、次に読むものをたどっていきましょう。くり返すうちに、そのテーマでよく引用される研究が見えてきます。
| 読むもの | 何が分かる? | 卒論での使い方 |
|---|---|---|
| 研究書 | テーマの全体像と、これまでの議論 | 序論で研究の流れを紹介する |
| 論文 | 特定の問いへの詳しい分析 | 自分の問いとの違いを示す |
| 原典・一次資料 | 研究の対象そのもの | 本論で根拠として分析する |
本の選び方や読み方は、文学部生の本の読み方|読むべき本の選び方と教科書で紹介しています。
資料はメモと一緒に集める
資料を集める時は、メモの取り方が大事です。
卒論を書く段階で『この引用、どの本の何ページだっけ』と探し直すのは、思った以上に時間がかかるんです。
- 著者名・書名(論文名)・出版社(掲載誌)・出版年
- 引用したい文章と、そのページ番号
- その資料から自分が考えたこと
- 自分の問いのどの部分に使えそうか
卒論の書き方と構成
文学部の卒論は、序論・本論・結論の3つに、注と参考文献を加えた形が基本です。書き方の決まり(引用の仕方・注の付け方)は学科や分野で違うので、ゼミの先生の指示に合わせてください。
論文の書き方は、高校までの作文とはかなり違います。
『どんな順番で書けばいいの?』という方のために、基本の構成を表にしてみました。
| 部分 | 書くこと | 書く時のポイント |
|---|---|---|
| 序論 | 問い、問いを立てた理由、先行研究、扱う資料 | 何を明らかにする論文かを最初に示す |
| 本論 | 資料の分析と、そこから言えること | 章ごとに一つのことを言う |
| 結論 | 問いへの答えと、残った課題 | 新しい話を持ち込まない |
| 注・参考文献 | 引用や参照した資料の出典 | 学科の書式に合わせて統一する |

書く順番は「本論から」でもいい
構成の順番どおりに序論から書く必要はありません。
実は、本論から書き始めて、最後に序論と結論を整える人も多いんです。本論を書いているうちに、問いの言い方が変わることがあるからです。
先生に見てもらうタイミング
卒論は、一人で書き上げてから見せるより、途中で何度か見てもらうほうが進みやすいです。
| 見てもらう時期 | 見せるもの | 確かめたいこと |
|---|---|---|
| テーマを決めた時 | 問いを一文にしたもの | 卒論で扱える大きさか |
| 構成を作った時 | 目次と各章の要約 | 論の流れに無理がないか |
| 一章書けた時 | 最初に書き上げた章 | 書き方や引用の仕方が合っているか |
| 全体を書き終えた時 | 卒論の全文 | 結論が問いに答えているか |
『こんな途中のものを見せていいのかな』と遠慮する必要はありません。早めに見せるほど、先生も具体的なアドバイスをしやすくなります。
引用は「自分の考え」と分けて書く
文学部の卒論では、作品や史料、先行研究からの引用がたくさん出てきます。
大事なのは、どこまでが引用で、どこからが自分の考えかを、読む人がはっきり分かるように書くことです。
例えば、こんな書き方です。
「〜とこれまで指摘されてきた。しかし、本稿で扱う資料を見ると、〜という点も読み取れる」
先行研究を紹介したうえで、自分の分析を足していく。この形がつかめると、論文らしい文章になっていきます。
レポートと卒論の書き方の共通点は、文学部のレポートの書き方|テーマ選びと構成でも紹介しています。
提出前の最終チェック
書き終えたら、提出の前に一度、読む人の目で見直してみましょう。
- 序論で立てた問いに、結論で答えているか
- 引用には、すべて出典とページ番号が付いているか
- 注と参考文献の書き方が、最初から最後までそろっているか
- 表紙・文字数・ページ番号など、学科の書式に合っているか
- 提出の方法と締め切りの日時を、もう一度確かめたか
印刷して声に出して読むと、画面では気づかなかった言葉の重なりや誤字が見つかりやすくなります。
よくある相談:文学部の卒論について
ここでは、ネットの相談サイトに寄せられている文学部の卒論についての声から、よく見られるものを要約して紹介します。
相談1 卒論の口頭試問では、どんな質問をされる?
文学部の卒論の口頭試問でどんなことを聞かれるのか、人前で話すのが苦手でも乗り切れるか、という相談です。
口頭試問は、卒論を書いた本人が内容を理解しているかを確かめる場です。厳しい質問で落とすための場ではないことが多いです。
- この問いを立てた理由は何か
- 先行研究と比べて、自分の論文の新しい点はどこか
- この資料を選んだ理由は何か
- 結論で言い切れなかった点、今後の課題は何か
この4つに、それぞれ1〜2文で答えられるよう準備しておくと安心です。
話すのが苦手なら、答えをメモにまとめておき、それを見ながら話してもいいか先生に確かめておきましょう。
相談2 卒論のテーマが決まらない。休み明けのゼミまでに決めないといけない
3年生の冬休みに入ったのに卒論テーマが決まらず、休み明けのゼミまでに決めなければならない、という相談です。
『周りはもう決まっているのに』と焦りますよね。
ここで大事なのは、完璧なテーマを一つに決めることより、候補を2〜3個用意してゼミで相談することです。
これまでの授業で一番面白かった回のノートを見返してみてください。そこで扱った資料や問いを、時代・対象・視点のどれかで一段しぼれば、立派な候補になります。候補が複数あれば、先生と相談しながら選べます。
相談3 文学部の卒論と理系の卒論、どちらが大変?
文学部の卒論と、実験をして書く理系の卒論とでは、どちらが大変なのかという相談です。
大変さの種類が違う、というのが答えに近いです。
| 比べるところ | 文学部の卒論 | 実験をする分野の卒論 |
|---|---|---|
| 時間がかかるところ | 文献を読み、問いを立て、文章で論じる | 実験の準備とくり返し、データの整理 |
| 一人で進める部分 | 多いことがある | 研究室で協力して進めることがある |
| 書く量 | 文章で論じる部分が長くなりやすい | 結果と考察を中心にまとめる |
どちらも、問いを立てて根拠で答える点は同じです。比べるより、自分の卒論のペース配分を考えるほうが役に立ちますよ。
卒論の先にある進路
卒論を書いているうちに、『もっと研究を続けたい』と感じる人もいます。
大学院への進み方や研究室の選び方は、文学部から大学院へ|院進の流れと研究室の選び方で紹介しています。
これから文学部を考える家族や後輩がいたら、どんな卒論が書けるのか、大学ごとの専攻やゼミの違いを資料で比べてみるようすすめてみてください。
進学情報サイト
気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる
なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。
資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)
よくある質問
文学部の卒論は何文字くらい書きますか?
卒論の文字数は、大学・学科・専攻によって違います。学科の卒論の手引きやゼミの案内に目安が書かれていることが多いので、ネットの数字ではなく、自分の学科の決まりを確かめてください。
文学部の卒論テーマはいつまでに決めればいいですか?
一般的には3年次の後半から4年次のはじめに決めることが多いです。締め切りや提出の流れは大学ごとに違うので、ゼミの予定を確かめておきましょう。
卒論のテーマに好きな作品を選んでもいいですか?
選んでかまいません。ただ、「好き」だけでは論文になりにくいので、時代・対象・視点でしぼり、「なぜ〜なのか」という問いの形にしてみてください。
卒業論文とレポートの書き方は何が違いますか?
レポートは先生が出したテーマに答えることが多いのに対し、卒業論文は問いから自分で立てます。先行研究をふまえて、自分の論文の新しい点を示すことも求められます。
文学部の卒論で、小説などの創作をしてもいいですか?
大学や学科によって違います。例えば北海学園大学人文学部の日本文化学科は、卒業研究として小説などの創作も認めていると公式サイトで紹介しています(2026年10月時点)。創作が認められるかは、自分の学科の卒論の決まりで確かめてください。
文学部の論文のテーマが先行研究とかぶってしまったら?
同じテーマの研究があるのは、むしろ自然なことです。先行研究と比べて、扱う資料や視点を変えることで、自分の論文ならではの点を出せます。ゼミの先生に相談してみてください。
まとめ
文学部の卒論は、6つの段階に分けて考えると、今やるべきことが見えてきます。
テーマは好きなことから始めて問いの形にしぼり、先行研究と資料集めに時間をかける。文字数や書式は、学科の決まりを最初に確かめておきましょう。
- 文学部の卒論は、自分で立てた問いに資料という根拠で答える論文
- 文字数・形式・締め切りは大学や学科で違うので、学科の手引きで確かめる
- テーマ決め・先行研究・資料集め・構成・執筆・提出の6段階で進める
- テーマは時代・対象・視点の3つでしぼり、問いの形にする
- 口頭試問は、問いを立てた理由と自分の論文の新しい点を話せるよう準備する





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