文学部で取れる資格|教員免許・学芸員・司書

図書館の机に置かれた本とノートと、文学部で取れる資格を紹介する記事タイトル

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文学部に興味はあるけれど、『資格が取れないと就職で困らないかな』と気になっている高校生や保護者の方は多いですよね。在学中で、教職課程を取るか迷っている方もいるはずです。

結論から言うと、文学部で取れる資格の中心は「教員免許」「学芸員」「司書」の3つです。どれも大学で決められた科目を取ると資格が得られるもので、卒業すれば自動でもらえるわけではありません。

この記事では、3つの資格を「大学で取れるか」「必要な課程と単位」「活かせる場」で比べ、4年間でどう取るかまで紹介します。

目次

文学部で取れる資格は「教員免許・学芸員・司書」が中心

先に結論

文学部の資格は、教員免許・学芸員・司書の3つが軸です。大学によっては、社会教育主事や社会調査士などを取れる課程もあります。何が取れるかは大学と学科ごとに違うので、志望校の公式サイトで「資格課程」のページを確かめましょう。

『文学部って、資格とは縁がない学部じゃないの?』と思う方もいるかもしれません。

実は、文学部は資格課程が多めに用意されている学部なんです。国語や英語、歴史など、学校で教える教科とつながる学びが多いからです。

例えば中央大学の文学部では、資格課程として教職課程・学芸員課程・社会教育主事課程・司書・司書教諭課程の4つが紹介されています(2026年10月時点の公式サイト)。

慶應義塾大学の文学部では、公式のよくある質問で、教員免許・図書館司書・司書教諭・学芸員が取れる資格として挙げられています。

資格の種類どんな資格か文学部での取りやすさ
教員免許中学校・高校などで教えるための免許多くの大学で教職課程がある。取れる教科は学科しだい
学芸員博物館で資料を集め、調べ、展示する専門職の資格学芸員課程を置く大学が多い
司書図書館で専門的な仕事をする職員の資格司書課程を置く大学と置かない大学がある
そのほか社会教育主事・社会調査士・認定心理士など学科や専攻によって取れるものが変わる

「卒業すれば取れる資格」ではない

ここが誤解されやすいところです。

文学部の資格は、卒業に必要な単位とは別に、資格のための科目を上乗せして取るものがほとんどです。

「文学部を出たら先生になれるんだよね?」と聞かれることがありますが、答えは「教職課程の科目を取った人だけ」です。入学してから自分で申し込み、時間割に組み込む必要があります。

文学部そのものの学び方は文学部とは?何を学ぶ学部かで紹介しています。

3つの資格を「取れるか・必要な単位・活かせる場」で比べる

ここが大事なところです

3つの資格は、必要な科目の量も、資格を活かせる場所も違います。先に全体を並べておくと、どれに時間を使うか決めやすくなります。

『全部取っておいたほうが安心じゃない?』と考えますよね。

気持ちは分かります。ただ、資格課程は授業の数が多く、実習もあります。3つの違いを先に知っておくと、無理のない選び方ができます。

比べる点教員免許(中学・高校の一種)学芸員司書
根拠になる法律教育職員免許法博物館法図書館法
大学で取れるか大学が文部科学大臣の認定を受けた課程(認定課程)で取る博物館に関する科目を取れる大学で取る図書館に関する科目を開いている大学で取る
必要な科目の量教科及び教職に関する科目で59単位以上(中学・高校の一種)博物館に関する9科目で計19単位(計算値)甲群11科目と乙群2科目以上で計24単位以上(計算値)
実習教育実習がある博物館実習がある乙群の中に図書館実習がある(選ぶ科目による)
資格の受け取り方都道府県の教育委員会から免許状を授与される学士の学位と科目の修得で資格を得る大学卒業と科目の履修で資格を得る
活かせる場中学校・高校の教員博物館・美術館など公共図書館・大学図書館など

単位数は、教育職員免許法の別表、博物館法施行規則、図書館法施行規則の定めから書いています。学芸員と司書の合計は、科目ごとの単位を足した計算値です。

文学部で取れる教員免許・学芸員・司書を、大学で取れるか・必要な科目・活かせる場で比べた図解
補足

学芸員や司書は、資格を取っても、その職に就けるかは採用しだいです。資格は「応募できる入口」と考えておくと、期待と現実のずれが小さくなります。

文学部の教員免許と教職課程の仕組み

先に結論

文学部で取れる教員免許は、中学校と高校の一種免許状が中心です。取れる教科は「大学のどの学科に、どの教科の認定課程があるか」で決まります。

『国語の先生になりたいから文学部』という方は多いですよね。教職課程の仕組みを知っておくと、学科選びで迷いにくくなります。

中学校と高校の一種免許状を取るには、学士の学位を持っていることが基礎資格です。そのうえで、教科及び教職に関する科目を59単位以上取ります。

中学と高校で内訳が少し違う

内訳は教育職員免許法施行規則で決まっています。同じ59単位でも、中学と高校では配分が違うんです。

科目の区分中学一種高校一種
教科及び教科の指導法28単位24単位
教育の基礎的理解10単位10単位
道徳・総合的な学習の時間等の指導法、生徒指導・教育相談等10単位8単位
教育実践(教育実習・教職実践演習)7単位5単位
大学が独自に設定する科目4単位12単位

これに加えて、日本国憲法・体育・外国語コミュニケーション・数理データ活用やAI(または情報機器の操作)の科目を各2単位取ります。

文学部の学びと、免許の教科のつながり

施行規則には、教科ごとに学ぶ専門の内容も書かれています。文学部の学科とつながりやすいものを並べてみますね。

免許の教科教科に関する専門的な内容(施行規則の例)つながりやすい文学部の学科
中学・高校の国語国語学、国文学(国文学史を含む)、漢文学日本文学科・国文学科
中学の社会日本史・外国史、地理学、哲学・倫理学・宗教学など史学科・地理学科・哲学科
高校の地理歴史日本史、外国史、人文地理学・自然地理学、地誌史学科・地理学科
高校の公民哲学、倫理学、宗教学、心理学、社会学など哲学科・社会学科・心理学科
中学・高校の英語英語学、英語文学、英語コミュニケーション、異文化理解英文学科・英米文学科
高校の書道書道、書道史、書論・鑑賞、国文学・漢文学書道学科・国文学科

国語の免許をめざすなら、日本文学科(国文学科)の学びも参考になります。

よくある勘違い

高校の免許に「社会」はありません。高校は「地理歴史」と「公民」に分かれていて、「社会」は中学の免許です。また、中学の免許には、特別支援学校や社会福祉施設などでの介護等体験(7日以上)が別に必要です。高校の免許だけなら介護等体験はいりません。

「どの学科でも取れる」とは限らない

同じ文学部でも、学科やコースによって取れる免許が違います。

例えば千葉大学の文学部の履修案内(2025年度)では、教員免許はコースごとに異なり、大学から一括申請できるのは所属コースの免許状だけと書かれています。

名古屋市立大学の人文社会学部(国際文化学科)では、社会科系の免許も取れるものの、他学科の科目の履修が必要で4年を超える場合があると案内されています。

『入ってから考えればいいや』は、ちょっともったいないんです。取りたい教科が決まっているなら、出願前に学科ごとの免許一覧を見ておきましょう。

教育を学問として学ぶ道は文学部の教育学科とはでくわしく紹介しています。

文学部の学芸員課程と図書館司書課程

先に結論

学芸員は博物館法、司書は図書館法で資格の取り方が決まっています。どちらも大学で決められた科目を取る方法が一般的で、文学部に課程を置く大学が多いです。

『博物館や図書館の仕事に憧れて』文学部を考える方もいますよね。歴史や文学、美術を学ぶ人にとって、身近に感じる資格だと思います。

学芸員になるための科目

学芸員は、博物館で資料の収集・保管・展示・調査研究などを担う専門職です。博物館法では、学士の学位を持ち、大学で博物館に関する科目を修得した人が資格を得ると定めています。

博物館に関する科目(博物館法施行規則)
  • 生涯学習概論・博物館概論・博物館経営論(各2単位)
  • 博物館資料論・博物館資料保存論・博物館展示論(各2単位)
  • 博物館教育論・博物館情報・メディア論(各2単位)
  • 博物館実習(3単位)

大学によって、課程の登録方法も違います。例えば広島大学の文学部では、学芸員の資格を取るために「特定プログラム」への登録が必要と案内されています。

司書になるための科目

司書は、図書館で専門的な仕事をする職員です。図書館法では、大学を卒業し、大学で図書館に関する科目を履修した人が司書になる資格を持つと定めています。

図書館に関する科目は、甲群11科目(各2単位)をすべてと、乙群7科目(各1単位)から2科目以上です。乙群には図書・図書館史や図書館実習などがあります。

大学の課程で取らなかった場合も、大学を卒業していれば、大学が開く司書講習を修了して資格を得る道があります。社会人になってから取りたい方は、こちらの道も覚えておくと安心です。

補足

学校の図書館で働く「司書教諭」は、図書館の司書とは別の資格です。三重大学の人文学部の案内では、学校図書館司書教諭は教員免許の取得が前提とされています。

教員免許・学芸員・司書以外に文学部で取れる資格

先に結論

学科や専攻によっては、社会教育主事・社会調査士・認定心理士・日本語教員関連の課程などもあります。専攻とつながる資格が多いので、学科選びとセットで調べるのがコツです。

『3つ以外にも、文学部で取れる資格はあるの?』と気になりますよね。大学の公式サイトで確認できた例を並べてみます(2026年10月時点)。

資格・課程公式サイトで確認できた例関わりやすい学び
社会教育主事中央大学 文学部の資格課程教育学・社会学
社会調査士北海道大学 文学部、帝京大学 文学部の社会学科社会学・行動科学
考古調査士北海道大学 文学部考古学
認定心理士帝京大学 文学部の心理学科(日本心理学会認定心理士)心理学
測量士補・GIS学術士・地域調査士立命館大学 文学部(測量士補は地理学専攻のみ)地理学
日本語教員関連立命館大学 文学部の言語学・日本語教育専攻言語学・日本語教育

心理学の資格では「公認心理師」の名前を見かけることもあります。ただ、大学院の修了や実務経験が必要になるなど条件が細かいので、志望校の案内で条件まで確かめてください。

資格が少ない学科は不利?

「うちの学科は取れる資格が少ないけど大丈夫?」という声もあります。

資格の数は、学科の価値とは別の話です。資格を使わない仕事に進む人も多く、卒業論文で鍛えた「調べて、考えて、書く」力は、どの仕事でも使えます。就職先の広がり方は文学部の就職先で紹介しています。

教職課程と資格課程を4年間で両立するには

先に結論

資格課程は、1年生のうちに登録や説明会がある大学が多いです。卒業に必要な単位と、資格の単位を合わせた4年間の計画を早めに作っておきましょう。

『授業が多くなって、サークルやアルバイトができなくなるのでは』と心配になりますよね。

実際、教職課程を取ると時間割は詰まりやすくなります。ただ、学年ごとにやることを決めておくと、ぐっと進めやすくなります。

資格を取る4年間の進め方(一例)
  1. 1年生:資格課程の説明会に出て、登録の締め切りを確かめる。日本国憲法など早めに取れる科目を入れる
  2. 2年生:教職や博物館・図書館の基礎科目を取る。中学の免許をめざすなら介護等体験の時期を確かめる
  3. 3年生:教科の指導法や専門の科目を進める。実習の申し込み時期を確かめる
  4. 4年生:教育実習や博物館実習に行き、卒業論文と並行して残りの単位を取る
資格課程を4年間で両立するための学年ごとの進め方を示した図解
よくある失敗

教育実習は4年生に行くことが多く、就職活動や公務員試験の準備と重なりやすい時期です。教職と民間企業の就職、どちらにも備えたい人は、3年生のうちに予定を書き出しておきましょう。

公務員をめざす場合の準備は文学部から公務員になるにはで紹介しています。

社会人になってから資格を取りたい場合

働きながら教員免許や学芸員の資格を考える方もいますよね。

通信教育課程で教職課程や資格課程を置く大学もあります。例えば創価大学の通信教育部の文学部では、教員免許状や日本語教員(登録日本語教員の経過措置対象)が取得可能と案内されています。

働きながら学ぶ道は通信制大学の文学部で紹介しています。

文学部の資格についてのよくある相談

先に結論

よくある相談は「両方取れる?」「取る人はどれくらい?」「図書館を専攻するのと司書課程は違う?」の3つです。どれも、大学ごとの時間割と課程の仕組みを見ると答えが見えてきます。

「司書と学芸員、両方を在学中に取れますか?」

大学の資格課程で、司書と学芸員を同時に取れるかという相談はとても多いです。

制度として、両方を取ることを禁じる決まりはありません。ネックになるのは時間割です。実習の時期や必修の授業が重ならないか、大学の資格課程の窓口で確かめてみてください。

「教職や司書をめざす人って、実際どれくらいいますか?」

入学したばかりの方から、周りがどれくらい資格を取っているのか知りたいという声もあります。

割合は大学や学科で大きく違い、公的な統計も見当たりません。人数より「自分が4年間で何に時間を使いたいか」で決めるのが現実的です。

「迷うなら、とりあえず登録だけしておく」という人もいます。1年生の科目なら負担も小さめなので、途中でやめる選択も含めて考えてみましょう。

「図書館について専攻するのと、司書課程を取るのは違いますか?」

図書館を学べる専攻がある大学は珍しいのか、という相談です。

司書課程は、資格を取るために科目を上乗せする仕組みです。一方で、図書館や情報について研究する専攻を置く大学もあります。例えば慶應義塾大学の文学部には、図書館・情報学系の図書館・情報学専攻があります。

研究したいのか、資格がほしいのか。どちらが目的かで選ぶ大学が変わってきます。

取りたい資格から大学を選ぶ時のチェックポイント

先に結論

「文学部があるか」だけでなく、「どの学科で、どの資格課程が取れるか」まで見て比べましょう。同じ大学でも学科で違うことがあります。

『資格のことまで考えると、どの大学を見ればいいか分からない』という方もいますよね。次のポイントを順に見ていくと整理しやすくなります。

資格から大学を見る時に確かめること
  • 取りたい免許の教科と校種が、志望学科の認定課程にあるか
  • 学芸員課程・司書課程を、自分の学科から取れるか
  • 資格課程の登録時期と、追加の費用がかかるか
  • 実習の時期が、卒業論文や就職活動と重ならないか
  • 4年で取り切れるか(他学科の科目が必要な場合はないか)
取りたい資格から大学を選ぶ時に確かめるポイントをまとめた図解

候補の大学が見えてきたら、パンフレットを並べて「資格課程」のページを見比べてみてください。同じ文学部でも、取れる教科や課程の数の違いがひと目で分かります。

進学情報サイト

気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる

なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。

資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す

(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)

よくある質問

文学部で取れる資格にはどんなものがありますか?

中心は教員免許(中学・高校)、学芸員、司書です。大学によっては社会教育主事、社会調査士、認定心理士なども取れます。

文学部の教員免許は、どの教科が取れますか?

大学と学科ごとの認定課程で決まります。国語・英語・中学の社会・高校の地理歴史や公民などが多いですが、どの学科でも同じとは限りません。

文学部の教職課程は途中からでも取れますか?

大学によっては可能ですが、登録時期や必要な単位の関係で4年で取り切れないこともあります。1年生のうちに説明会に出ておくのが安心です。

文学部の学芸員課程では博物館実習がありますか?

あります。博物館法施行規則で、博物館実習は3単位と決められています。

文学部を卒業すれば図書館の司書になれますか?

卒業だけでは資格は得られません。大学で図書館に関する科目を履修するか、卒業後に司書講習を修了する必要があります。

まとめ

この記事の要点
  • 文学部で取れる資格の中心は、教員免許・学芸員・司書の3つ
  • どれも卒業すれば自動で取れるものではなく、資格のための科目を上乗せして取る
  • 教員免許の教科は、大学と学科ごとの認定課程で決まる
  • 学芸員は博物館法、司書は図書館法で取り方が決まっている
  • 実習の時期と就職活動が重なるので、4年間の計画を早めに作る
文学部ドットコム

文学部ドットコム 編集部

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