文学部の言語学科・外国文学の専攻とは|言語学と外国語の学び方

図書館の机に積まれた外国語の辞書や本と、文学部の言語学と外国文学の違いを紹介する記事タイトル

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外国語が好きで文学部を考えているけれど、言語学科と外国文学の学科のどちらが合うのか、何語を選べばいいのか迷っている。そんな高校生や保護者の方に向けた記事です。

結論から言うと、文学部の言語学は「言葉そのものの仕組み」を、外国文学は「その言葉で書かれた作品と文化」を研究する学びです。どちらでも外国語は学びますが、4年間で向き合う相手が違います。

この記事を読めば、2つの違いと、自分に合う言語や学科の選び方が分かります。

目次

文学部の言語学科とは?外国文学の専攻とどう違う?

先に結論

文学部の言語学科や言語学専攻では、音・文法・意味など、言葉がどう成り立っているかを調べます。外国文学の学科や専攻では、外国語の作品を原文で読み、その背景にある文化や歴史を考えます。

『どっちも外国語を勉強するところでしょう?』と思う方も多いですよね。

半分はそのとおりです。ただ、外国語は「道具」で、その先に何を研究するかが違うんです。

例えば、同じフランス語の授業でも、こんなふうに見るところが変わります。

「この文、なぜこの語順になっているんだろう?」(言語学の見方)

「この場面で、なぜ主人公はこの言葉を選んだんだろう?」(外国文学の見方)

「外国文学部」はある?

『外国文学部という学部を探している』という方もいるかもしれませんね。

外国の文学は、多くの場合、文学部の中の学科や専攻として学びます。例えば英米文学科・フランス文学科・中国文学科のような学科や、文学部の中の英米文学専攻・仏文学専攻のような形です。

外国語そのものを話す力を中心に伸ばしたい場合は、外国語学部のような別の学部も候補になります。どこで学ぶかで力の入れどころが変わるので、比べてみてください。

比べる点文学部の外国語の学び外国語学部の学び(傾向)
外国語の位置づけ作品や言葉の仕組みを研究する道具話す・書く力そのものを伸ばす中心
授業の中心原文の講読、文学史、言語学会話・作文の練習、地域の事情
卒業論文作品や言葉をテーマに論じる地域や言語をテーマに論じる

どちらが上ということはありません。大学によって中身は違うので、授業の一覧で確かめてみてください。

文学部全体の学びは、文学部とは?何を学ぶ学部かで紹介しています。

言語学と外国文学を比べる

ここが大事なところです

言語学と外国文学は、どちらも言葉を扱いますが、研究の相手と身につく力が違います。「言葉の仕組み」と「作品と文化」のどちらに、より心が動くかで選んでみてください。

『違いは分かったけど、自分がどっちか決められない』という声もよく聞きます。

学ぶ中身を並べて比べてみました。

比べる点言語学外国文学
研究の相手言葉そのもの(音・文法・意味・使われ方)その言葉で書かれた作品と、その背景の文化
主な授業音声学、文法の分析、言葉のデータの調査原文の講読、文学史、作品の分析
扱う言語日本語を含むいろいろな言語を比べることが多い1つの言語と、その地域の文化を深く学ぶ
身につく力言葉のきまりを見つけ、データで説明する力文章を深く読み、背景まで考えて説明する力
卒論テーマの例若い人の話し言葉の変化を、会話のデータで調べるある時代の小説に描かれた家族の姿を読み解く
文学部の言語学と外国文学を研究の相手・授業・身につく力で比べた図解
言語学が合いそうな人
  • 方言や言い間違いが気になって仕方ない
  • 英語と日本語の文法の違いを考えるのが好き
  • 決まりを見つけてパズルのように説明したい
外国文学が合いそうな人
  • 外国の小説や詩を原文で味わってみたい
  • 作品の舞台になった国の歴史や暮らしに興味がある
  • 1つの言語と文化を深く掘り下げたい

言語学で学ぶ主な分野

言語学には、言葉のどこを見るかによっていくつかの分野があります。

分野どんなことを調べる?身近な問いの例
音声学・音韻論言葉の音の出し方と、音のきまり外国語の発音が難しいのはなぜ?
文法(統語論・形態論)単語や文の組み立て方日本語はなぜ動詞が最後に来る?
意味論・語用論言葉の意味と、使われ方「大丈夫です」が断りの意味になるのはなぜ?
社会言語学地域や世代による言葉の違い方言や若者言葉は、どう生まれる?
対照言語学2つ以上の言語の違いと共通点日本語と韓国語の語順が似ているのはなぜ?

例えば立命館大学の文学部には、言語コミュニケーション学域に言語学・日本語教育専攻があります(2026年10月時点の公式サイト)。日本語を教える方法と、言葉の仕組みを一緒に学べる形です。

言語学の授業はこんな雰囲気

『言語学って、難しい理論ばかりなの?』と身構える方もいますよね。

実は、身近な言葉の観察から始まることが多いんです。例えば、こんなやりとりがあります。

「地元では『来れる』と言うけど、教科書では『来られる』ですよね」

「では、どちらを使う人が多いのか、友達の会話を集めて数えてみましょう」

こうして集めた言葉のデータから、使い方の変化や地域の違いを説明していきます。ふだん何気なく話している日本語が、研究の材料になるのがおもしろいところです。

4年間の流れの例

言語学・外国文学の4年間の流れの例
  1. 1年生で、共通科目と、英語ともう1つの外国語を学ぶ
  2. 専攻やコースを決め、言語学の入門や文学史の講義を受ける
  3. 2〜3年生で、原文の講読や言葉のデータを扱う演習に入る
  4. 3年生でゼミに入り、テーマを決めて発表と議論をする
  5. 4年生で、卒業論文にまとめる

例えば早稲田大学の文学部では、1年生の必修で英語を学びます。それに加えて、フランス語・ドイツ語・ロシア語・中国語・スペイン語・イタリア語・朝鮮語・アラビア語から1つの言語を学びます。早い段階から2つ目の外国語に触れられる形です。

外国文学の講読の授業で辞書を引きながら原文を読む学生の手元の写真風の画像

言語ごとの選び方は「将来使う場面」で考える

先に結論

何語を学ぶか迷ったら、「その言葉を、卒業後どんな場面で使いたいか」から逆に考えてみてください。好きな国や作品から入るのもよいですが、使う場面を想像すると、選んだ後の4年間が続きやすくなります。

『英語以外の言語を選ぶのは、将来的に不利?』と心配になる方もいますよね。

どの言語にも、それぞれの言葉が生きる場面があります。言語ごとに、将来使う場面の例を並べてみました。

学ぶ言語将来使う場面の例文学部での学び方の例
英語仕事や研究で、英語の資料を幅広く読む。英語の先生になる英米文学、英語学の専攻
フランス語芸術や料理、服飾などの文化を原文で知る。フランス語圏の人と話すフランス文学科、フランス語圏文化の学科
ドイツ語哲学や音楽、歴史の文献を原文で読むドイツ文学やドイツ語圏文化の学科
中国語漢文や東アジアの歴史を読む。近い地域の人と仕事で話す中国文学科、中国語・中国文化の専攻
韓国語韓国の文化に触れる。日本語との比べ方を研究する韓国語を学べる専攻や副専攻
特定の言語に絞らない日本語を教える。言葉のデータを扱う言語学科、言語学専攻
学ぶ言語ごとに将来使う場面の例を並べた図解
補足

文学部では、専攻の言語とは別に、英語も4年間学ぶことが多いです。英語以外の言語を専攻しても、英語の力が落ちる心配はそれほどありません。英語の学びをくわしく知りたい方は、英文学科・英米文学科とはも読んでみてください。

迷った時のチェック

言語を選ぶ前に考えておきたいこと
  • その言葉で書かれた本や映像に、すでに触れたことがあるか
  • 4年後、その言葉で何を読みたいか、誰と話したいか
  • 教員免許を取りたい場合、その言語の課程がある大学か
  • 留学の制度や、現地の大学との交流があるか
  • 入学後に、ほかの言語も学べる仕組みがあるか

例えば、こんなふうに自分に聞いてみるのもおすすめです。

「この言葉で、最初に読んでみたいものは何だろう?」

すぐに答えが浮かぶ言語は、4年間続けやすい言語かもしれません。

高校生のうちにできる準備

新しい言語は、入学してから一から学ぶ人がほとんどです。それでも、少し触れておくと最初の授業がぐっと楽になります。

入学前にできること
  • 興味のある言語の文字と発音を、入門書で眺めてみる
  • その国の映画や音楽に、字幕つきで触れてみる
  • 英語の文法を見直しておく(ほかの言語を学ぶ時の土台になる)
  • 日本語の文法で「主語」「述語」などの言葉を思い出しておく

言語学・外国文学を学べる大学の探し方

先に結論

言語学科や外国文学の学科は、名前が大学ごとにかなり違います。「フランス文学科」「〇〇語圏文化学科」「言語学専修」など、いろいろな名前で探してみてください。

『文学部の外国語学科で探したら、あまり出てこなかった』ということもありますよね。

文学部では、「外国語学科」という名前より、言語や地域の名前を付けた学科が多いんです。2026年10月時点の公式サイトで確認できた例を挙げます。

フランス語・フランス文学を学べる例

大学学科・専攻の名前
青山学院大学 文学部フランス文学科
学習院大学 文学部フランス語圏文化学科
中央大学 文学部人文社会学科 フランス語文学文化専攻
慶應義塾大学 文学部人文社会学科 文学系 仏文学専攻
関西学院大学 文学部文学言語学科 フランス文学フランス語学専修

中国語・韓国語を学べる例

大学学科・専攻の名前
大東文化大学 文学部中国文学科
中央大学 文学部人文社会学科 中国言語文化専攻
立命館大学 文学部東アジア研究学域 現代東アジア言語・文化専攻
二松學舍大学 文学部国際日本・中国学科 中国語・韓国語専攻

韓国語は、専攻として学べる大学のほか、副専攻として学べる大学もあります。例えば北海学園大学の人文学部では、2025年度から副専攻課程が始まり、韓国・朝鮮語を選ぶこともできます。

「語圏文化」「外国語文化」という学び方

言語と文化を広く学ぶ学科もあります。例えば國學院大學の文学部には外国語文化学科があり、学位は学士(文学)です。

学習院大学の文学部にはドイツ語圏文化学科とフランス語圏文化学科が、東洋大学の文学部には国際文化コミュニケーション学科があります。千葉大学の文学部では、日本・ユーラシア文化コースの中にユーラシア言語・文化専修があります。

作品だけでなく、言葉と文化を幅広く学びたい方は、こうした名前の学科も見てみてください。

説明会では「1年生のうちに、ほかの言語の授業も受けられますか?」と聞いてみると、学科の自由度がよく分かりますよ。

言語学を学べる例

国公立大学では、東京大学・京都大学・神戸大学の文学部に言語学の専修があります。名古屋大学の文学部には、言語文化学繋の中に言語学・日本語学の分野があります。

九州大学の文学部には言語学・応用言語学の専門分野が、広島大学の文学部には欧米文学語学・言語学コースがあります。東北大学の文学部には、言語学のほか、英語学・日本語学・日本語教育学の専修があります。

名前で探す時の落とし穴

同じ言語でも「文学科」「語圏文化学科」「言語文化専攻」など、名前で力の入れどころが少しずつ違います。作品を読む授業と、言葉や文化を扱う授業の割合を、授業の一覧で確かめておきましょう。

学科ごとの授業の割合や留学の制度は、学校案内で見比べると分かりやすいです。気になる大学がいくつか出てきたら、資料をそろえて並べてみてください。

進学情報サイト

気になる大学の資料を取り寄せて、学び方を比べてみる

なるには進学サイトは、大学・短大・専門学校・通信制大学などを学校の種類や分野から探せる進学情報サイトです。気になる学校の資料をまとめて無料で請求でき、オープンキャンパスの情報も確認できます。パンフレットを並べると、学科や専攻の分かれ方、学べる資格の違いが見比べやすくなります。

資料請求無料なるには進学サイトで大学を探す

(なるには進学サイトに移動します。掲載校や最新の内容はサイトで確認してください)

ほかの学科も含めて比べたい方は、文学部の学科一覧や比較文化・国際文化・人文社会学科とはも参考になります。

言語学・外国文学で目指せる資格と、卒業後の進路

先に結論

外国語の教員免許は、英語のほか、フランス語やドイツ語、中国語などの課程を置いている大学もあります。言語学の専攻では、日本語を教える仕事に関わる学びもできます。

『外国語を学んで、どんな資格や仕事につながるの?』と気になりますよね。

中学校・高校の教員免許の「外国語」は、英語・ドイツ語・フランス語その他の言語ごとに分かれています。どの言語の免許が取れるかは、大学・学科の課程しだいです。

大学(文学部)公式サイトで確認できた外国語の免許の教科
慶應義塾大学英語・中国語・独語・仏語など
大阪大学中学・高校とも英語・ドイツ語・フランス語
広島大学中学・高校とも英語・ドイツ語・フランス語
九州大学高校で英語・独語・仏語・中国語(中学は英語)
よくある思い込み

「その言語の学科に入れば、その言語の免許が取れる」とは限りません。例えば東北大学の文学部では、高校のフランス語の免許の課程認定を取り下げたと公式サイトで案内しています。取りたい免許がある方は、教職課程の案内で確かめておきましょう。

日本語を教える仕事に興味がある方は、日本語教育を学べる専攻も候補になります。立命館大学の文学部では、言語学・日本語教育専攻で日本語教員に関わる学びができると案内しています。

資格全体の取り方は文学部で取れる資格で、就職先の探し方は文学部の就職先で紹介しています。

外国語と文学部の学びが生きる場面

文学部で練習すること仕事で生きる場面の例
外国語の文章を正確に読む海外の資料や問い合わせの内容をつかむ
言葉の意味や使い方の違いを考える翻訳や広告の言い回しを検討する
文化の背景まで考えて読む海外の人と仕事をする時に、誤解を防ぐ

就職活動の面接では、何語ができるかだけでなく、その言葉で何を考えてきたかを話せると伝わりやすくなります。例えば、こんな言い方ができます。

「原文と訳を読み比べて、言葉の選び方で印象が変わることを卒論で調べました」

言語学・外国文学を考える人の、知恵袋によくある相談

先に結論

知恵袋では「フランス文学科の推薦入試なのに英語の試験がある」「フランス文学科と法学部、就職を考えるとどちら?」「フランス文学科から別の分野の大学院に進める?」という相談がよく読まれています。

ここでは、言語学や外国文学を考える人によく読まれている相談を要約して紹介します。

「フランス文学科の推薦入試で、英語の試験があるのはなぜ?」

文学部フランス文学科の自己推薦型の入試を受ける人の、英語の学科試験が不安という相談です。

フランス語の学科なのに英語、と驚きますよね。ただ、多くの人は入学後にフランス語を一から学びます。外国語を学ぶ土台として英語の力を見ている、と考えると納得しやすいはずです。

点数の目安はここでは紹介できません。試験の形は大学ごとに違うので、最新の募集要項で確かめておきましょう。

「フランス文学科と法学部、就職を考えるとどちら?」

文学部フランス文学科と、別の大学の法学部の両方に合格し、就職や評判を考えて迷っている、という相談です。

迷うのはとても自然なことです。ただ、学部の名前だけで就職が決まるわけではありません。

4年間、どちらの勉強なら続けられそうかを想像してみてください。フランス語を学びたい気持ちが強いなら、その経験は面接で語れる材料になります。

「フランス文学科から、社会学系の大学院に進める?」

文学部フランス文学科に在籍していて、社会学系の大学院に進めるかを知りたい、という相談です。

大学院によっては、出身の学部や学科を問わず受験できるところがあります。ただ、入試では研究計画や専門の知識が見られるので、早めに準備を始めることが大切です。

院進の流れは文学部から大学院へで紹介しています。

よくある質問

文学部の言語学では何を学びますか?

言葉の音・文法・意味・使われ方など、言葉そのものの仕組みを調べます。日本語を含むいろいろな言語を比べたり、会話のデータを集めて分析したりします。

文学部の言語学科と外国文学の学科の違いは何ですか?

言語学科は言葉の仕組みを、外国文学の学科はその言葉で書かれた作品と文化を研究します。どちらでも外国語は学びますが、4年間で向き合う相手が違います。

文学部でフランス語を学ぶには、入学前にフランス語ができないとだめですか?

多くの場合、入学後に初歩から学びます。入学前から少し触れておくと楽になりますが、できなくても心配はいりません。

文学部で中国語や韓国語は学べますか?

中国文学科や中国語の専攻を置く大学があり、韓国語も専攻や副専攻として学べる大学があります。学科名がさまざまなので、授業の一覧まで見て探してみてください。

文学部の外国語の学びと、外国語学部の違いは何ですか?

文学部では、外国語を道具にして作品や言葉の仕組みを研究することが中心になりやすいです。話す力そのものを中心に伸ばしたい場合は、外国語学部も比べてみてください。

まとめ

この記事の要点
  • 文学部の言語学は言葉の仕組みを、外国文学は作品と文化を研究する
  • どちらでも外国語は学ぶが、4年間で向き合う相手が違う
  • 何語を選ぶかは、卒業後に使う場面から逆に考えると続けやすい
  • 学科名は大学ごとに違うので、語圏文化や専修の名前でも探す
  • 外国語の教員免許は、言語ごとに大学の課程があるかを確かめる
文学部ドットコム

文学部ドットコム 編集部

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